きのう/ きょう / あした

「ケン」。これはホームステイ先での私の呼び名である。Harvard Squareから北西にバスで約30分。Arlingtonという閑静な住宅街である。HarvardもCambridgeもアメリカでは珍しく安全な場所と言えよう。もちろんBostonはある區劃を除いては全体的に比較的安全であるらしい。來る前は、「アメリカは危ない國」と多くの人から聞かされていたが、どうやらここにいる限り日本と全く變わりはないようだ。この住まいは關大の陶先生の友人に探してもらったのだが、お二人に非常に感謝している。ホームステイはいいホームマザーに出くわせばいいのだが、當り外れがあるようで、私の友人の中國人（日本から來た）は、料理もまともに作ってもらえず、とうとう別の場所に引っ越ししてしまった。さて、どうやらアメリカ人には日本人の名前は發音がしにくいらしい。何度「Keiichi」と言っても「Kecchi?」とか「Kechi」になるもので、「Ken」でいくことにした。「Ken! Supper!」「Ken! Program!」とか呼ばれるのである。このProgramと言うのは、毎日夜の７時から８時まで放送されるクイズ番組である。ここのおばあちゃん(Barbaraさんと言い、今年67歳)が毎日欠かさず見る番組で、１つは回轉転を回して、ブランクにアルファベットを埋めていき、そのフレーズや人名などを當てるものである。回轉版が止まった所の金額が加算される。アメリカのこの種のクイズの賞金は桁が違う。毎日$20000から多い時は$50000にもなる。もう１つはボードクイズで、幾つかのジャンルに分かれた問題を早押しで答えるものである。兩方ともなかなか面白いもので、英語の勉強にもなっている。最近はどうやら「Ken」にも慣れてきた。ただ、この前などある人から電話があって「Keiichi Uchida」をお願いしますと言ったようだが、「そんな人はいない」と切られてしまったようである。ここには、下の部屋（地下室）にブラジルからの女子留學生(EFという英語の専門學校に通っている）がもう一人同居している。５月までは、あと一人韓國からの學生もいたが、すでに歸國。Barbaraさんは、なかなか「恐い」おばあちゃんであるが、私には優しくしてくれている。ただ韓國の學生とは馬が合わず、毎日怒鳴りまくっていた。「あいつはジュースを澤山飲む」とか、ある時などアイススケートのミッシェル・クワンが中國系か日本系かで一悶着。韓國の學生は「彼女は中國系だ」と言うのに對し、おばあちゃんは「日本系」と言う。明らかにこれは韓國の學生が正しいのであるが、この家では「おばあちゃんが正義」である。「ケン、そうだろう？日本人だろ？」と聞かれては私も困って何も言えず。私の部屋は結構廣く、ダブルベッドと小さな机、それに化粧臺（大きな引き出しが６つ）とクローゼットが付いている。最近本箱（カラーボックス）も入れてくれた。部屋の掃除と洗濯もやってもらえるし、何よりも料理が上手なのが有り難い。

【午前】

今朝はまた６時には目が覺めたが、例の如く８時までベッドに横になる。このところ、いい天氣ではなるが気温が低い。厚手の上着を着込んで大學へ。ところが、今日のHarvard Squareはどこか雰囲氣が違っている。着飾った紳士、淑女が多い。正門まで行ってわかった。今日が卒業式なのである。火曜日はどうやら學位授与式だったようだ。門の前には警官がいて、關係者以外はお晝まで入れてもらえない。クリントン大統領夫人が來ることもあってか、HarvardのIDカードでも駄目である。仕方なく生協の本屋でお晝まで時間をつぶす。ついでにCoopに加入。１年間の會費が$2.00。これで全てが10%オフになるのだから安い。晝食はAu Bon Painでサンドイッチ。

【午後】

12時になると、卒業生達が皆校門から出て來た。廣場はもう卒業生や父兄、子供で一杯である。メモリアルホールの掲示を見て分かった。今週は火曜日から土曜日まで「Commencemnt Week」なのであった。ここではどうやら、この週に合わせて各年度の同窗會も行われるみたい。今年は、1948,1958,1963,1973,1988年度の同窗會のようだ。日本の大學のような馬鹿騒ぎもないし、クラブや同好會の歓送會みたいなのもないようだ。その代わり両親や子供が総出で來ている感じ。それにしても、「Commencement Day」とはいい言葉ではないか。まさに「出發(たびだち)の日」である。それを家族で祝うのである。日本では失われつつあるものが、ここにはあるような氣がする。實に羨ましい光景である。私も「出來るならあの日に戻りたい」という想いを抱いきながら、Yenchingへ。今日は坂出先生の「東西シナロジー事情」(東方書店)に述べられている漢籍目録關係の調査。YenchingだけでなくWidenerにかなり所藏されていることがコンピュータ檢索で判明したので、即Widenerへ。イギリス、フランスだけでなく、アメリカ、ドイツやオランダ、ロシアなどの大學、圖書館の漢籍目録も多くあり、明日からまた少しゆっくり見てみるつもり。

【夜】

メールチェック。
今日コピーしたCordierの書誌を讀む
ホームページの更新・・「日記」がどうも長くなり過ぎていると思う。明日からはもう少し短くいこう。

【今日の食事】

朝食：トースト、コーヒ、ジュース
晝食：サンドイッチ(ハム、レタス、トマト)、コーヒ($5.00)
夕食：マカロニ、ミートボール、サラダ、コーヒ
午後のおやつ：なし

3/28-5/31にしたこと

• 「イソップ中國語飜譯小史」（仮題）初稿(約32,000字)

今日コピー(全巻)したもの

• Cordier「Essai d’une Bibliographie des ouvrages publies en Chine par les Europeens au XVII et au XVIII siecle」(1883)
• Cordier「(Publications de L’egole des langues orientales vivantes,V serie-tome III,L’imprimerie Sino-Europeenne en Chine)Bibliographie des ouvrages publies en Chine les Europeens au XVII et au XVIII siecle」(1901)本書は1883年の改訂版で、1883年版に比べて、収められた書籍は倍近く(195から395に)増えており、図入り、索引付きである。

パソコン關係

• PB2400cのカーソル飛びと、「r」「d」キーの不具合だが、パスカルの安藤さんに聞いてみた。安藤さんの考えでは「システムの問題のよう」とのこと。念のためATOK11をはずして、システムも余計なものを削ってみた。幾分良くなったようにも思えるが、まだおかしい。一度システムを全部インストールし直してみるか。でも、漢字Talk8.1を持ってきていない。US8.1でやってみるかな？？多分、CLKをはずせば問題は全て解決する氣もするのだが・・・。

【アメリカでの連絡先】

Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA

or

Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA

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