1998/09/16/(水)

中断前の日記(7月最終分)へ


きのう/きょう/あした


ヨーロッパの物価あれこれ

なにせ50日以上の旅ともなると、財布の中身が非常に気になるところ。ヨーロッパに来る前に、こちらのバーバラさんから「パリが一番高い」と聞いてきたが、確かにパリもそれなりに高いが、日本とさほど変わりはない。一番高いと感じだのは、ロンドンである。多分、イギリスは今「インフレ」ではないかと思われるが、実に高い。タバコが1箱750円ほどするのだ。パリで400円くらい。アメリカでは300円台である。タバコは税金の問題があるから、單純な比較はしにくいかも知れないが、マクドナルドの値段でも、ロンドンでは1000円近くするのだ。
ところで、マクドナルドだが、世界中に店舗を拡げているが、一番その看板が目立ったのもロンドンだった。地下鉄の標識が、まさにマクドナルドを使っているのだから相当なものである。でも、マクドナルドよりもバーガーキングの方がまだおいしい感じがする。
さて物価だが、イタリアでも安いとは感じなかったが、スペインの安さには驚いた。ここのスーパーマーケットには「たまげて」しまう。あれだけ大きいスーパーは多分アメリカ(西海岸)にもないだろう。それくらいの規模なのだが、それに買い方が凄い。日本のカートの2倍ぐらいの大きさのに、山盛り買っていく。缶ビールなら50本とか、そんな単位だ。それで、値段を見ていると10000円を超すのはめったにない。因みに缶ビールは1本40円程度。スペインにいるH先生の話では、上等のヒレ肉を3Kg買っても2000円ぐらいとのこと。
ポルトガルはスペインよりも安いと聞いていたが、どっこいそうはいかなかった。丁度、Expoの最中で、当然物価は跳ね上がっていた。でも、生活必需品は確かに安いみたい。
でも、相対的にみて、やはり極端に高くもなく、安くもなく最も「手頃」なのがアメリカではないかという印象を最終的にはもっている。

【午前】【午後】

午前中、Widener Libに行き、少し調べもの。<イソップが中国語に訳された時(1840)に、人々に歓迎されたため、当時の「当局」は、それを「禁書」にした>という話を、以前、周作人の雑文で読んでいたが、一昨日入手した戈宝権の論文でも同じ事が書かれており、気になってその出典を調べに行った次第。
Joseph Jacobsの「The Fables of Aesop」(1894)の「イソップ小史」に確かにそれが記述されていた。でも、それが拠り所にしたのが、どうやらCanton RegisterのR.Morisonの記事みたい。ただ、その新聞はあいにくハーバードにはない。またChicagoに依頼しないといけない。しかし、そのことよりも、今日はもっと大きな収穫があった。そのJacobsのイソップを見ると、何と、これも前から探していた「イラストレーター」の挿絵ではないか!実は、中国人の手になる「伊索寓言選」のイラストに「R.H」の印があったのだが、このJacobs版イソップからのものだったのである。ちなみに「R.H」は「Richard Heighway」と判明。ついでに、ハーバードには各種イソップ英訳本がほぼ揃っている。
お昼は「試験」。何十年ぶりかの「試験」で楽しかった。来週から參加することにした「ESL」のプレースメント試験だった。
午後は燕京図書館で別の資料を調べる。ただし、今日はここでは何もなし。早めに切り上げて、「哈佛燕京学社」の歓迎レセプションに參加。多くの訪問学者や院生、学生が集まったが、おいしい料理はなく、早々に帰宅。明日はまたHoughtonに行かないといけない。
好文から「中国語表現ポイント99」の改訂版が届く。今回は誤植が直っており安心。また、拓郎の本も入れておいてくれたので、思わず読んでしまう。久しぶりに「笑えた」。好文の竹内さんに感謝、感謝。

【夜】

メールチェック。他。

【今日の食事】

朝食:トースト、コーヒ
晝食:チキンバーガー、クロワッサン、バナナ、コーヒ
夕食:ステーキ、ポテト、パン、サラダ、コーヒ


3/28-5/31にしたこと

  • 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)

6/1-7/10

  • 「イソップ中国語訳の系譜」(約40,000字)

ヨーロッパでコピーしたもの(主にルーバン大学の未整理の漢籍およびゲッティンゲン大学のもの)

  • 傅蘭雅関係「重学須知」「地学須知」「礦学須知」「電学須知」「地志須知」「地理須知」
  • 「造洋飯書」・・これは清末に出た西洋料理の作り方を述べたもの
  • 上海(松江)方言関係資料・・「聖事答應經文」(1878)「方言問答」(1882)「方言教要序論」(1883)・・いずれも聖書関係を方言で記したもの。
  • 「華英通用要語」(1887)・・これは、その後商務印書館からも出版されたようである。
  • 「語言問答」(会話集、基本的には北方語)
  • 「讀書樂」(1898年上海三等學堂譯編、上海美華書館擺印)・・実はこれがイソップだった。しかも、一部は「意拾喩言」をそのまま使ったり、或いは手直ししたもの。
  • 「孩訓喩説」(1900年上海廣學會校刊、上海商務印書館代印)・・これもイソップ。商務の極めて初期の出版物。
  • 「増廣英語撮要」・・これは実はKuang Qizhaoの「華英字典集成」の「雑事撮要」の部分を抜き出したもの。商務印書館発行である。

パソコン關係

  • パスカルの安藤さんにお願いしたら、どうやらPB2400cのアダプターを送ってくれるよう。いつも「困ったときのパスカル頼み」で申し訳ないが、すがるより他に手がない。感謝。

【アメリカでの連絡先】

Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara Marchese
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA

or

Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA


きのう/きょう/あした