1998/10/05/(月)
東西と南北
中国と欧米では風向をいう場合面白い違いがある。中国では「西北の風」と言うのに対して、欧米では「North-West」と言う。同じく「東南の風」は「South-East」である。つまり、中国は「東西」を軸にするのに対して、欧米では「南北」を軸とする。日本では、風向の場合は、ヨーロッパ的であり、地域をいう場合は、中国的である。たぶん日本の風向のいい方は、近代になってからのヨーロッパの影響を受けたものであろう。
ところで、この夏ドイツの学会に參加した際、会議後の夕食会でゲッティンゲン大学のLackner氏と話をしていたとき、彼が面白いことを言っていた。
ヨーロッパでは、文化、言語等々において「南北」ではっきりとした違いが見られる。ドイツなどでも、確かに特に政治、経済面では「東西」に分けられるが、ものの考え方とか方言等の区別は「南北」によるという。
中国でも言語の区別は、実は「南北」ではっきりとした差が見られる。長江を挟んで「南北」で大きく分けられるのだ。
ただ一方で「西学東漸」とか「東学西漸」とかいう現象もある。大きな視点からは「東西」の交流であって、狭い地域においては「南北」の交流とかいうことがあるのかも知れない。また、「南北」によって文化、言語、思考方法に差異が出てくるというのは、「気候」とそれが密接な関係があるようにも思われる。
「東西」と「南北」が、複雑に混じり合って、世界が関連づけられているのだろうが、それにしても、この問題は非常に興味があるところである。
【午前】【午後】
午前中はESLの授業。今日から新しい単元で、「時差」の問題。ペースが速い。
昼食後、先ずWidenerでChinese Repositoryの調べもの。その後、燕京図書館へ。「廣學會」の年報類がないか探す。ほかに、偶然「Kuang Qizhao」について若干の資料が見つかる。なんと李圭の「環遊地球新録」に「Kuang Qizhao」の名が登場しているのだ。これは知らなかった。この本は以前、大学院の授業で使ったことがあるのだが、その時は全く気がつかなかった。
4時過ぎに帰宅。
【夜】
メールチェック。他。
【今日の食事】
朝食:トースト、コーヒ
晝食:ピザ、コーヒ
夕食:ローストビーフとポテト、玉葱、カリフラワー、サラダ、コーヒ
3/28-5/31にしたこと
- 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)
6/1-7/10
- 「イソップ中国語訳の系譜」(約40,000字)
今日コピーしたもの(マイクロを含む)
- 「出版史料」の「廣學會年報」類。ほか。
パソコン關係
- E漢字のPencilを使ってみる。斎藤さんの言われる「いずみ」とどちらが使いやすいだろうか?
【アメリカでの連絡先】
Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara Marchese
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA
or
Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA