「遊び心」と「あれもこれも」

きのう/きょう/あした


2007/01/06(土)

今日は最後の卒論ゼミをやった。大体皆まとまったようで一安心(若干一名は不安・・)。まあ、みんなよくやりました。
さて、夜はミュージカル「We will rock you」を見に行った。
ロンドンでも一回見ているのだが、今日は、彼らの日本公演。座席は何と、最前列の中央。ミュージシャンの汗と匂いまでも飛んでくる位置。ラッキー!
昨年だったか、四季の「マンマミーア」も見たが、やはりミュージカルは本場の出演者で、原語でなくてはならぬ。たとえ言葉は分からなくても、感動は伝わってくるのだ。今日も、バラードの部分では何度か思わず涙ぐんでしまった。
それと、台詞を巧みに日本公演に合わせて変えている演出が心憎い。
「アルマーニ」を「青山」に、「ハンカチ王子」や「六甲おろし」まで飛び出す始末。これが、欧米人の「遊び心」なのだ。
コンピュータ産業に支配された未来社会で、「自由」を、そして、その象徴である「ロック」を取り戻すために「夢追い人」の主人公たちが権力と闘う話である。なかなかの「硬派」の内容であるが、そこに、先に述べたような「遊び」を入れ込むのだ。
「硬軟両様」というか、「清濁併せ呑む」というか、とにかく、このバランスが心地よいのだ。
物事には「あれかこれか」という二者択一が必要な場合と、「あれもこれも」という柔軟なものの見方が必要な場合がある。
この国では、ともすれば「あれかこれか」で物事を判断することが多い。「教養」か「専門」か、「虚学」か「実学」か、「ゆとり」か「つめこみ」か、「画一」か「個性」か、「平等」か「格差」か、「勝ち」か「負け」か・・・。 しかしながら、今、この国で本当に求められるのは、「あれもこれも」という見方なんだと私は考えている。これが弁証法の基本だのだ。