1998/06/09/(火)
人前でのKiss
最初の頃はそれほど気が付かなかったのだが、やはりこの國では「人前」でも平気でKissをするようだ。(日本でも最近は阪急電車の中などで、高校生が時々しているのを見かけるが、どこか作為的な感じがする)そんなの當たり前と言えばそれまでだが、やっぱり氣になる。している方はいいとして、周りの人はどう見ているのかが興味がある。私は「じっくり」と「観察」させてもらっているのだが、どうもアメリカ人はそれを「素知らぬ顔」をして通り過ぎる。でも、内心はどうなのか。その邊りを聞いてみたいところなのだ。バスの中とかベンチに座ってなら、まだ許せるが、横斷歩道の信号待ちでするのは氣に入らない。もっと静かな場所で、雰圍氣を樂しめばいいじゃないかと思う。したくなったら「所構わず」と言うのは、一種の動物的感覺である。つまり、この人達は動物に近いのかも知れない。同じ在外研でフランスにいるO先生のメールによると、ヨーロッパでも同じようである。ところで、Kissは神世の昔から存在したのだろうか?肌と肌を合わせて「確かめ合う」という行為は生來的なものだろうか?この間、ホームステイ先のおばあちゃんの孫が赤ちゃんを産んだのでプレゼントをしたら、その娘さんから「頬ずり」の挨拶を受けてしまった。全く惡い氣はしなかったが、少し戸惑ってしまった。丁度、そこに中國人の友人も居合わせていたが、彼は「You are happy!」と言った。中國人も日本人とこの邊りは同じ感覺だなとその時思ったが、西洋人と東洋人の違いなのだろうか。
【午前】
久しぶりに暖かい一日。今日も何とか元氣で出勤(?)。こちらに來て家にじっとしていた日はまだ1日だけ。お腹が痛くてその日だけはおとなしくしていたが、それ以外は毎日出かけている。日本でも大體じっとしているのが苦手な性分だが、外國に來ると特にそうである。中國に1年居た時も、365日ほぼ毎日このように出かけていたことを思い出す。中國では古本屋だったが。さて、今日は昨日の續きでHoughton Libに行って2つの本を少し時間をかけて讀んでみた。先ず、「天主降生言行紀像」であるが、書名はやはり「天主降生出像經解」ではないかと思う。艾儒略の序が3葉、本文が全部で51話の26葉。キリストの生誕から復活、昇天までの一生を描いたものである。丁度、中國の「連環画」みたいなもの。艾儒略の序によれば、「言行紀」の中から「要端」だけを選んだとある。描き方についての記述が面白い。「無形のものの形容」が難しいと言い、例えば「純神」のうち、「天主バトラ」は「高年尊長の形」を借りてそれを模し、「スピリットサント」は「鳩の形」でこれを表現すると述べている。また「徳」に「衰えがない」ことを、少年の容貌でこれを擬し、神の速やかなことは「肩に2つの翼」を付けて表し、「清潔で汚れない」ことを「手に花を持たせる」ことで表したとある。しかも、これらを中國人に彫らせたとある。なお、昨日、Cordier1901に同じものが掲載されていると書いたが、よく調べるとCordierに載っている絵はこの本にはない。と言うことは、これに類する本が他に存在するということだ。興味が沸いてきた。
【午後】
晝食後、また讀み續ける。文體はやはり「浅文理」に近い。昨年度だったか、大學院の授業で「古今聖經問答」を讀んだことがあるが、語彙はかなり似通っている。さて、もう1冊の方だが、これは錯簡と脱落があるが、どうやら書名は「聖人行實」である。顯修巻4の2編、致命巻3の1編、聖女巻6の1編を1冊に綴じたもののよう。語彙が面白い。2時半頃まで讀み、2冊ともマイクロコピーを依頼。合計$36.00で約3週間かかるとのこと。今回のものや、「西方答問」などを見ていると、やはり17世紀のカソリック宣教師達の資料から丁寧に調べていかないと「近代語語彙の形成」はその全貌を掴めないことを痛感する。併せて、英語のみならず、特にフランス語の必要性を感じている。折良く先日實に1年ぶりにカソリック・ルーバン大學のヴァンデワラ先生からメールを頂いた。昨年だったか關大に來られた時に、南懷仁の新しい資料の中の中國語について意見を交換したのであるが、どうやら纏められつつあるようで、他に資料があればということであった。先生は17cのヨーロッパ宣教師の中國語に對する認識や方法等について考えておられ、丁度私の今やっていることと「クロス」する部分である。このタイミングの良さ。「日頃の行いによるもの」という冗談はさておき、8月にベルギーでの再會を今から樂しみにしている次第である。
【夜】
メールチェック。
ホームページの更新、その他
【今日の食事】
朝食:トースト、コーヒ、ジュース
晝食:ピザ、ドーナツ、キャベツサラダ、フルーツ盛り合わせ、紅茶($5.75)
夕食:ビーフシチュー、フランスパン、サラダ、コーヒ
3/28-5/31にしたこと
- 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)
今日コピー(全巻)したもの
-
なし
パソコン關係
【アメリカでの連絡先】
Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA
or
Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA