「父ありき」

きのう/きょう/あした


2004/01/06(火)

小津安二郎の1942年の作品だが、小津の作品というのは、セリフが現実の日常の生活の中で現れてくるようなものが多い感じがする。うちのかみさんが「本当のどこかの家庭をのぞいているよう」と言っていたが、確かにそんな気がする。それが練りに練られたフィクションの世界であるところが凄いと思う。
ところで、この「父ありき」で笠智衆演ずる父が死に臨んで言うセリフがにくい。

「悲しまなくていい。自分の出来ることはやってきたのだから・・」

こんな風に私も死を迎えられたら、どんなにか幸せなことだろう。