1998/07/04/(土)
素直さ
今日はアメリカの「国慶節」（＝「独立記念日」）である。いろんなイベントが行われているようだが、私にはさほど関係はない。チャールズリバー近くの「ハット・シェル」で開かれるというボストンポップスの演奏会と、その後の花火大会には行こうと思っていたが、お昼に高い塔に上ったもので、膝が「笑って」おり、家で休むことにした。
今日は昨日知り合った台湾の先生とドライブ。「バンカーヒル」というイギリスとアメリカの「古戦場」に行ってきた。そこにメモリアルモニュメントがあり、２９４段の階段を上ったがさすがに疲れた。中国の塔だったら、途中に休む場所があるのだが、ここのはとにかく「階段」しかない。でも久しぶりに「いい汗」をかいた。
モニュメントの前の芝生では、独立戦争当時の戦闘衣装を付けた人がアトラクションを見せてくれる。また、説明員が、「バンカーヒルの戦い」やその経緯をユーモアたっぷりの巧みな話術で説明してくれる。ところで、この説明の時に、時々観光客に質問をするのだが、こちらの人は非常に積極的で大人も子供もみな手を挙げて質問に答えようとする。その後、世界最古の戦闘艦と言われる「コンスティチューション号」とその博物館に行く。ここでも、アトラクションをやってくれるのだが、子供達はみな我先にと手を挙げて、舞台に上がろうとする。こんな風景は昨今の日本では余りお目にかからなくなったように思う。
アメリカ人は「単純」だとか「目立ちがりや」だということも出来るだろう。でも、どこかに「純真さ」というか「素直さ」が殘っているのだと私は思う。今の日本、特に学校では「はい、はい！」と手を挙げる人が少なくなっていると聞く。なるだけ「目立たぬよう」に、周りを見て、周りと同じ行動を取るという子供が増えているようである。目立ちすぎると「いじめ」にあうこともあるらしい。「平均主義」の一種の悪弊である。もっと「素直に」、もっと「しなやかに」生きられるような社会はもはや望むべきもないのだろうか。心から「笑い」心から「泣く」、そんな時代は過去のものだろうか。だとしたら、少し寂しい気がする。
ここのバーバラさんなんかを見ていると、本当に「純真」だと思う。私が半分は本気で、半分はお世辞で「バーバラさんの食事は一番だ。日本での食事よりおいしい」と言うと、それを全部「本気」で受け取るようだ。娘さんや友人が来る度に「ケンが、私の料理が一番だと言ってくれる。ケンは幸せ者だ」と言っている。そんな姿を見ると、この人は「疑う」ことを知らないのかなと思ったりするが、アメリカでは「イエス」と「ノー」をはっきり言わないといけないことがよくわかるような気がする。つまり、「遠回しの表現」とか「お世辞」とかは通用しないのであり、それだけ自分の発言に責任を持たないといけないのだ。
【午前】【午後】
台湾の先生は１１時頃に迎えに来てくれる。車の中や食事をしながら話していて、何故英語がそれほど達者なのかがわかった。台湾出身というだけで、アメリカ育ちなのだ。バークレーにもいたことがあり、現在はアリゾナに居るらしい。近代史ではなくて、思想史。しかも最近は「毛沢東の文体」に興味があるとのこと。関大の陶先生とも面識があるらしい。ハーバードには休暇を利用して調査研究をしているらしいが、私が日曜も図書館に通っているのを見て「少し息抜きを」と以前から思っておられたそうな。本当に有り難いことである。抜き刷りなどを差し上げたが、この方面にも関心があるということで、今後またお世話になりそうである。
午後５時半頃まで、バンカーヒルなどを回って帰宅。さすがに疲れた。バーバラさんは、夜に又お出かけ。娘さん夫婦とカジノに行ったようだ。下の留学生も、一人はこの休日を利用してニューヨークに、もう一人は花火を見に行って、今夜は私一人。まあ、静かでいいものだ。
１０日までにしないといけない仕事がまだ終わっていない。少し急がねば。
【夜】
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【今日の食事】
朝食：トースト、ジュース、コーヒ
晝食：サンドイッチ、コーヒ
夕食：蟹サラダ、ポテト、コーヒ
今日の食事はお粗末でした。
3/28-5/31にしたこと
- 「イソップ中國語飜譯小史」（仮題）初稿(約32,000字)
今日コピー(全巻)したもの
- なし
パソコン關係
- Newtonで日本語が何故うまくいかないのかわかった。やはり今の環境では辞書が入らないのだ。メモリ不足。メモリが届くのを待つしかない。
【アメリカでの連絡先】
Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA
or
Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA