1998/06/08/(月)

きのう / きょう / あした


恐くない「tattoo」
「刺青」というと、日本ではちょっと獨特の響きがある。もう20年以上も前だが、杉本町や浅香に住んでいた時は家(結婚前は6畳のアパート、結婚後は「文化住宅」)にお風呂がなく錢湯に通っていた。そこによく立派な「刺青」をした人が入ってきたが、なるだけ目を合わさぬように、石鹸の泡も飛ばさぬようにして、早々に退散したものである。こちらに來て、Harvard Square辺りに毎日たむろしている若者はほとんど「刺青」をしているし、バスの中や道を歩いている時にも、しょっちゅう見かける。私と一緒にホームステイをしているブラジルの女の子(18才)でも、肩の所に「猴」の字を入れている。「さる」じゃなくて「龍」かなんかにすればいいのにと思うが、本人は別に氣にしていない樣子。どうも、ここでは「刺青」には暗い(惡い)イメージはないのかも知れない。それに、全然恐くない。ピアスなんかと同じ感覺なのであろう。でも、やはり日本人の私には今一歩理解が出來ない。「何をしても勝手、人に迷惑さえかけなければね」(拓郎)とは言うものの、「刺青」には些か抵抗がある。それに、白人が「刺青」とすると、どこか「しまり」がないのだ。文字通り「肌に合わない」のではないかと思ったりする。「ぶよぶよ」の白い肌に、ふやけた文字や樣にならない図柄。一度、日本の「遠山櫻」をどなたか彼らの前で「咲かせて」くれればいいのにと思う。

【午前】

新村出の「伊曽保物語の漢訳」というのを読み返していて、De Backerの「耶蘇会士著述書誌」”Bibliotheque des Ecrivains de la Compagnie de Hesus”がハーバードにあるなら見てみたくなる。早速、檢索をかけると、ある。1853-61の7巻本、1890-1932の11巻本、1890-19??の33巻本、1911-1930版、1960年版の12巻本がある。これは凄い書誌だ。これを引いている新村博士も凄いが、この書誌を作ったBackerも凄い。徐宗澤のものは、これに比べたら極めて貧弱。おそらく耶蘇會士關係の著述目録としては、クーランを凌いでいるのではないかと豫想される。これらは、Widener、Andover、Lamontの圖書館にそれぞれ所藏されており、今日のところは、とりあえずWidenerで見た。また、同じく新村論文に出てくる Couplet(中國名を柏應理)も見たくなり、これも檢索。2つばかりHoughtonにあることがわかる。


【午後】

晝食後、HoughtonでCoupletを請求。1581-1681年間の「耶蘇會書目」を期待していたのだが、出て來た本は以下の2冊。

  • (1)「Histoire D’une dame chretienne de la Chine…..」(Paris,1688)
  • (2)「Catalogus patrum Societatis Jesu qui ab anno 1581 vsque ad 1681 in Sina Jesu Christi fidem propagarunt」(Canton,1681-1685)
    (1)はフランス語で書かれたもので、よくわからない。(2)は圖書館の登録タイトルは確かに「耶蘇會書目」だと思うのだが、中身は違っている。2冊の箋装本で、1冊は、「六位顯修聖人行實巻之四」とある。もう1冊は表紙のタイトルは「天主降生言行紀像」で切れているが、めくると序があり、その初めに「天主降生言行紀像經解引」とあるから「天主降生言行紀像經解」という書名であろう。そして、序の最後には「遠西耶蘇會士艾儒略敬識、同會士陽瑪諾同訂とある。なんとAlenioの書ではないか。この本はいわゆる「綉像」本であり、ページの上部に「タイトル」、真ん中に絵、下段にその説明文という形である。登場人物や建物などに「甲乙丙丁・・」とかうってあり、下段で「甲 大秦如徳亜国都城内供奉天主古殿」とか説明するのである。キリストの一生を述べたものであるが、絵は中國風である。文體は基本的には文言と言えるが、口語的な要素も認められる。實に面白い本である。「六位顯修」の方は、聖人の傳記みたいなものであるが、「六位」とあっても、實際は4人しか出てこない。しかもページに錯簡が見られるから、完本ではないようだ。しかし、この言語は面白い。「多明我聖人行實第一」ではたとえば、「親命往巴冷郡。入文學。及格物窮理之學。學業間務潔心身。以故不敢閑遊」とある。この「文學」の用法などは興味深いものである。この他にも気になる語彙が登場している。しかし、「書目」のはずが、この2冊になっているのは不思議である。調査が必要であろう。この本を納入したと思われる人のメモが入っており、これも參考になるかも知れない。今日は雨も降って、閲覧室の冷房も強すぎるので、3時半頃退室。また明日だ。

    【夜】

    メールチェック。
    ホームページの更新、その他
    Cordierの1901を見ていると、お晝の艾儒略の本が出てくる。しかも図入りで、晝見た絵と同じである。ただし、Cordierでは「天主降生言行紀略」「出像經解」「耶蘇言行紀略」と3冊別々のものとして載せられている。うーん、奇妙だ??

    【今日の食事】

    朝食:トースト、コーヒ、ジュース
    晝食:巻き寿司、サラダ、コーヒ($8.50)

    夕食:ステーキ、サラダ。とうもろこし1本、ポテトサラダ、コーヒ、パン
    今日の夕食は久しぶりに豪華でした。


    3/28-5/31にしたこと

    • 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)

    今日コピー(全巻)したもの

      なし

    パソコン關係


    【アメリカでの連絡先】

    Keiichi Uhcida
    C/O Mrs.Barbara
    27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA

    or

    Keiichi Uchida
    Department of Asian Languages and Civilizations
    2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA


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