1998/06/30/(火)

きのう/ きょう /あした


あなたの血液型は何型?
またハーバードとは無關係の話題であるが、アメリカ人の血液型は何型が多いのかなとふと思ったことと、先日Yenchingで「中國語學」の古い號をめくっていて「中國語文法総ざらえ」という藤堂先生の論文を久しぶりに讀み直してみたもので、これにした。
昔、藤堂先生の集中講義を受けた時(多分2,3人の贅沢な授業)、授業が終わるといつも大學近くの「あんみつ屋」に行って先生の「課外授業」を受けていた。ある時「内田君は血液型は何型だ?」と聞かれたもので「B型です」と答えると、「じゃあ、中國語をやってもいいな」と言われた。理由を尋ねると、いろいろ調査をした結果「中國關係をやる人にはB型が多い」という結論に達したというのだ。一番合わないのがO型とか。「因みに先生は何型ですか?」とお聞きすれば、「私もB型」というわけ。本當に調査されたのかどうかは定かではないが、この話はよく覺えている。その後、大學院に進んで、恩師のK先生に、この話をしたところ、「藤堂さんがそんなことを言ってたか。へえ」と言われたので、「先生もB型ですか」と聞くと「俺はO型だ」。これには參った。「じゃ先生は例外ですね」とその場をしのいだが、些かまずい雰圍氣ではあった。これまでにも随分失礼なことを面と向かって言ったりしてきたが、それでもさらりと聞き流して余りとやかく言われない所がK先生のいいところである。藤堂先生とK先生はどちらも廻轉が速く、非常に先を見通す目をお持ちという共通點があるが、一方で全く違う面がある。その典型がタバコの吸い方だ。藤堂先生は1服吸ってすぐに灰皿に捨てるのだ。本當に1服なのだ。なるほど「殿樣」は違うなと思った。ところがK先生は、火がフィルターまで移って、更に消えてしまっていても口にくわえている。(現在は禁煙されている)藤堂先生の「中國文法研究」と「中國古典の讀み方」(いずれも江南書院)を學生時代に讀んだ時、これは時枝文法の中國語への應用だなとすぐに氣が付いた。その後先生に「時枝文法についてどうお考えですか」とお手紙を差し上げたことがあるが「あれは過去のもので、今はそれほど目くじらを立てて主張するほどのことでもないと考えています」というお返事を頂いた。さすが過去を引きずらない方だと思った。
ところで、私の非常に親しい先輩(よく出來る方で現代語から古典まで幅廣く讀めるし、行動力もあって、精力的に論文も發表しており私の尊敬する人の一人)が最近ある本の書評で「この本には私の師は教えてくれなかった方法論が述べられている」というようなことを書いたと教えてくれた。だが、その時その先輩にも言ったのだが「方法論というものは人から教えられるものではない。自分で見つけ出すもの」ではないだろうか。確かにK先生は方法論を語らなかったかも知れないが、私なんかは「内田君、語學はな、文字に書かれたもの全てがその資料となるんだ」という言葉それこそが一つの方法論だと思っている。方法論は大切だが、その前に荻生徂徠が言うように「書を本來の面目で讀む」(吉川幸次郎「讀書の學」)ことこそが重要なのだと最近つくづく感じている。

【午前】

今日は朝から雨。ボストンという所は結構雨が降る。それに雨が降ると寒いのだ。仕方なく午前中は家でのんびり過ごす。お晝近くに晝食を食べにHarvard Squareへ。また燕京でランチ。もう顔を覺えていてくれる。

【午後】

晝食後、Houghton Libへ行き、Goncalvesの本などを出してもらう。今日見たのは以下のもの。

  • Lexicon manuale latino sinicum continens omnia vocabula latina utilia, et primitiva, etiam Scripturae Sacrae(1839,Macai)
  • Vocabularium Latino-sinicum(1836,Macao)
  • Theophili Sigefridi Bayeri, Mvsevm sinicvm in quo sinicae linguae et litteraturae ratio explicatur(1730)

初めの2冊はGoncalvesの語彙集。どちらも「the royal arms of Portugal 」のスタンプ付きの立派な本。最後のは、1700年代ともなると、カバーが若干傷んではいるが2卷本の中國語文法書。しかし、こんな本を實際に手にとって見れるのは幸せなことだ。何かわくわくしてしまう。いずれも近くマイクロを撮る豫定。
午後には雨も上がる。6時頃バーバラさんカルフォルニアから歸宅。やはり「主」がいないと落ち着かない。今夜の夕食は準備してないために簡単にすます。明日からはまた美味しい料理を作ってくれるそうだ。いくらか窮屈な家だと最初の頃は感じていたが「住めば都」とはよく言ったもの。段々とこの家にも愛着が湧いてきた。
來月の部屋代を支払うが、今日お晝に銀行でレートを見たら「1$約150」になっている。何だこの「反發」は!先週はいったんは136圓ぐらいに戻っていたはずなのに。この差額でソフトが買えてしまう。橋本君は何やってんの???

【夜】

メールチェック。
ホームページの更新、その他

【今日の食事】

朝食:トースト、ジュース、コーヒ
晝食:燕京ランチスペシャル
夕食:ホットドッグ、ビーン、コーヒ


3/28-5/31にしたこと

  • 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)

今日コピー(全巻)したもの

  • なし

パソコン關係

  • PB2400はどうも危ない状態。昨日の夜などは、「あいうえお」と入力しているのに「かきくけこ」になってしまう。再起動したら戻ったが、この日記を書いている時も「rあ」の症状が頻發している。やはり見てもらう必要がありそうだ。

【アメリカでの連絡先】

Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA

or

Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA


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