1998/07/02/(木)

きのう/ きょう /あした


ロス疑惑

今日も本当は別の話題にしようと思っていたが、Yenchingで朝日新聞を読んで気が変わった。例の「ロス疑惑」だ。
三浦さんに「無罪」の判決が降りたそうだが、多分そうなるだろうとは思っていた。大体、この事件はフジテレビ系列や文春、新潮といった似非ジャーナリズムを中心としたマスコミ主導によって作り上げられた感がある。自分たちこそ「正義」のような顔をして、キャンペーンをはり、「ある状況」を作り出すという手法である。まるでアメリカに似ているが、根本的に違うのは、やりっぱなしで、その尻拭いをしないことだ。松本サリン事件も同様だ。河野さんに徹底的な償いをしない限り、彼らにはオームを批判する権利なぞないのである。ここで魯迅の「花無きバラ(二)」を引くまでもないだろう。言っておくが、三浦さんが本当に無罪か有罪かがことの本質ではない。それはあくまでも裁判に委ねられることである。問題はジャーナリズムのあり方である。日本のジャーナリズムは、実のところとっくの昔に「死んだ」のだ。故須田禎一が言ったように、8社共同宣言のあの時である。そもそもジャーナリズムが存在する理由はただ1つ。「権力批判」である。この精神がなくなった時にその使命は終わるのである。

このこと(「権威に盲従しないこと」「通説を鵜呑みにしないこと」)は、ジャーナリズムだけでなく、学問の分野においても然り、本当は全てに当てはまることである。「権力批判」と言うと「私の党に任せて」という声も聞こえてきそうだが、その党もそれを言う資格はない。なぜなら、その党こそ「自分たちの過去の歴史」を一切清算しようとはしない(まるでどこかの国みたい)典型だからである。今でこそスターリンは批判の対象であるが、50年代にすでにスターリンの誤りを指摘した「戦後主体性派」をことごとく除名し、その人達の執筆活動すら制限したのは彼らである。「自分の頭」で考える人は彼らにとっては「反動派」だったのだ。ましてや「レーニンから疑え」なんかと言った日には何をか況やである。この党には是非とも「論語」(「過而不改是謂過矣」)ぐらいは読んで欲しいものだと思っている。

アメリカでも、その昔レッドパージの嵐が吹き荒れて、チャップリンとかスノーとかスメドレーなどはその影響をもろに被っている。「死刑台のメロディー」のサッコ・バンゼッティなどもその例だ。しかし、アメリカはやはり「親分肌」のところがあって、ある程度、自分の非を認め、きっちりと「名誉回復」を行う国である。それは、多分、ジャーナリズムが(日本よりは)健全であるからだと思う。(今日は少し「過激」に行き過ぎました・・)

【午前】

いい天気。気分も上々。今日はNewtonが拝める。11時にYenchingで待ち合わせ。蜜柑箱ぐらいの大きな箱をもってやってくるのが見える。中を確認して、Checkを渡す。売人(薬の売人ではない)の友人という人はハーバードの職員だった。非常に親切な人で、何か問題があったらいつでもメールを出したらいいとのこと。すぐに家に帰ってインストールしたい気持ちを抑えて、Yenchingの書庫に入り、お昼まで「書きもの」。昼食は燕京レストランへ。

【午後】

昼食後、しばらくYenchingにいたが、進まないので、本のコピーに切り替える。250ページぐらいのものだから、気分転換にはもってこい。Yenchingは早めに切り上げて家路に向かう。ハーバード広場では、「グラスサウンド」をやっていた。これは面白い。大小様々なグラスに水を入れて、口の所を指で撫でて音を出すのだ。いい音色。思わず聞き惚れたが、チップを出すのは忘れた。バスに乗る前に、生ジュースを一杯。オレンジにしたが、何と7個ぐらい使うのだ。これはおいしい。しかも$2.10という値段。店員さんが「Naturalだからいいよ」と言っていたが、確かにそうだ。帰宅後、Newtonのインストールに取りかかる。

【夜】

メールチェック。
ホームページの更新、その他

【今日の食事】

朝食:トースト、ジュース、コーヒ
晝食:燕京ランチスペシャル(豚肉と野菜の味噌炒め、モヤシ炒め、炒飯ほか)
夕食:ステーキ、トウモロコシ1本、サラダ、コーヒ
今日の夕食も「満足」。大きいステーキだからお腹がいっぱい。


3/28-5/31にしたこと

  • 「イソップ中國語飜譯小史」(仮題)初稿(約32,000字)

今日コピー(全巻)したもの

  • Robert Morison「Dialogues and detached sentences in the Chinese language with a free and verval translation in English」(Macao,1816)
    これは天理大学のコピーを家に置いてあるはずだが、送ってもらう手間を考えると、コピーした方が早い。それに、こちらにいる間に読んでしまいたいから。すでにお気づきの方もおられると思うが、最近、ヨーロッパ人の「語法研究」書を中心に集めている。以前から関心があったのだが、そのうち「研究史」を纏めてみたいものだと考えている。「中国人の語法研究史」と比較してみるつもり。

パソコン關係

  • Newton入手。帰宅してからいろいろなパッケージをインストールしているが、やはり増設メモリが必要な状況。内蔵の4MBでは少なすぎる。日本語、中国語、E-Mail関係だけは今日中に使えるようにするつもりだが、さてどうだか。

【アメリカでの連絡先】

Keiichi Uhcida
C/O Mrs.Barbara
27Daniels St,Arlington,MA 02174,USA

or

Keiichi Uchida
Department of Asian Languages and Civilizations
2 Divinity Avenue,Cambridge,MA 02138,USA


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