「すべてを疑え」
2004/02/29(日)
院生との合宿も何とか無事終了。
今回は、他大学の院生と先生方にも参加してもらい、総勢30数名という大所帯。内容(テキスト)は盛り沢山過ぎて全部読みきることはできなかったが、それでも、みな良い刺激を受けたはずだと思っている。
いつもと違ったメンバー、違った大学、違った領域といった、いつもと違った環境を構築することは、時には必要なことだと思っている。もちろん、この場合、確固とした據って立つべき「基盤」があることが大前提ではあるが、いつも同じ環境では「マンネリ」「自分よがり」に陷る危険性をはらんでいる。これは、今回の件だけでなく、恐らく、全てに当てはまることだと僕は考えている。学問研究における「学際性」とか、「共同研究」というのも同じことであろう。どちらか一方だけでも不十分なのである。
また、今回の合宿では教員が5名で、しかもそのうち他大学の先生が2名ということもあって、院生は圧倒された部分がなくもないように思っている。従って、自分の意見や疑問点を素直に発言することを躊躇するような傾向が見られたのは、少し残念ではある。
ただ、これは、日本の悪しき体質かも知れない。
師を尊ぶことは素晴らしいことだが、一方で、学問とか真理の前では、何人も平等であるということを日本の若い人にも分かってもらいたいと思う。先生方の話をすべて受け入れてはいけないのである。先生の説明にも「本当かな?」と疑ってみることも必要である。そして、疑問に思ったら、それを表明すべきなのだ。自由な討論の場が約束されなければ、進歩はないだろう。でも、自由に討論するだけの「体力」を備えておかなければ、それも出来ないこともまた事実ではあるのだが・・。それでも、「すべてを疑え」から始まるのだと思っている。