模倣と創造
2004/03/14(日)
この2日間のシンポジュームは成功裏に終わった。時間が足りないくらい質疑も多かったし、質の高い討論が出来たように思う。特に若い人が積極的に発言する姿に「日本も結構いけるやないか」という気にもなった。
ただ、ここでも「模倣と創造」という点に言及しておいた方がいいように思う。
先人の研究成果を見ておくことは最低必要条件であるし、基本である。それはいいいのだが、いつしか、他人の成果、考え方を「自分独自のもの」と勘違いしてしまっている場合が結構あるのだ。
「模倣」は構わないし、他人の優れたところはどんどん取り入れるべきである。しかしながら、「模倣」はあくまで「模倣」なのだ。「模倣」が「創造」を気取るとき、それは「模倣」ではなくて「盜作」「剽窃」に変わるのだ。そのことを研究者を目指す人は心すべきである。
「師」の考えに納得し、それを自分の考えに取り込んでも構わない。でも、その場合にも、それが自分独自の発想ではないことだけは断るべきなのだ。いや、「師」としては自分の教えを忠実に受け入れてしまう弟子は本当は有り難くはないのだ。いい加減その枠から拔けてくれないかと思っているはずである。