ハイデルベルクに

きのう/きょう/あした


2013/08/15/(木)

 今日は朝9時にハイデルベルク大学の友人がゲストハウスまで迎えに来てくれた。彼の車でハイデルベルクに。ハイデルベルクの1つ前の高速の出口で降りて、Schwetzingenという小さな町に。Schlossgartenという18世紀のロココ調の大きな公園がある。1時間ばかり散策後、ハイデルベルグに。ここは今回で3回目だが、本当に落ち着いたいい町。山の上には大きなお城があり、下は大学の町。連合軍もこの町は爆撃しなかったので昔のままの町並み。「哲学の道」もある。ヤスパースやヘーゲル、マックスウェーバーなどが学んだ町である。
 丁度、故尾崎先生の奥さんがハイデルベルク大学で3ヶ月「遊学中」で、お昼をご一緒する。昨年は約1年北京外大、今回はドイツである。来年はベルギーはどうかとお薦めしたらすごく乗り気のよう。お元気で何よりだ。
 午後は漢学系の図書館で資料を見るが、ここは特に見るべきものはない。ただし、データベースが進んでいて、その点で随分と参考になる。また、この大学はドイツのCOEに採択されており、その関係でうちの文化交渉学研究科と協定を結んでいるが、これから図書館でも協定をと考えている。
 夕食は友人と、もう一人ニューヨーク州立大学の先生とご一緒。イタリアンにしたが、久しぶりに本格的で美味しい料理だった。ドルチェでこれまた久しぶりに「ティラミス」を食した。満足。ただ、19時46分の列車でフランクフルトに戻ろうと考えていたが、すでに8時を回っており、結局、21時の列車になった。この「つれづれ」は車内で書いているが、余り人は乗っていない。フランクフルトまで約50分。

 ところで今日は終戦記念日。今の政権はますます、これまでのこの国の歴史に目をつぶろうとする方向に向かっているようである。
 フランクフルトやハイデルベルクで会うドイツ人や他の外国の友人は誰もが「今の日本の政府は恐いですね。日本人はなぜそういう人を選挙で選ぶのか全く分かりません」と口をそろえて言う。外国では大概がそのように今の日本を見ていることを、彼らは知っているのだろうか。
 原爆の日にもこのつれづれに永井博士の言葉を引用したが、摩文仁の丘に立つ沖縄県平和祈念資料館の展示の結びの言葉も、もう一度私たちは読み直すべきである。

沖縄戦の実相にふれるたびに
戦争というものは
これほど残忍で これほど汚辱にまみれたものはない
と思うのです

この なまなましい体験の前では
いかなる人でも
戦争を肯定も美化することは できないはずです

戦争をおこすのは たしかに 人間です
しかし それ以上に
戦争を許さない努力のできるのも
私たち 人間 ではないでしょうか

戦後このかた 私たちは
あらゆる戦争を憎み
平和な島を建設せねばと 思いつづけてきました

これが
あまりにも大きすぎた代償を払って得た
ゆずることのできない
私たちの信条なのです