人の命は地球よりも重い

きのう/きょう/あした


2004/04/12(月)

かつて日本のある首相はこのように語ったことがある。
いわゆる「超法規的措置」という決断をした時だが、その息子は今回のイラクにおける日本人人質事件に関して「時代が違う」と一刀のもとに切り捨てた。
この国の指導者はこの時に及んでも、なおも「日米同盟」「日米協調」を強調することしか能がなく、「アメリカやイギリスに協力を要請する」という形で事件の解決を他国に委ねることしか出来ないのだ。
そもそもこの三人は「国策」には反対の立場を取ってきた人たちだから、彼らにとっては恐らくは「自業自得」「覚悟の上で行ったはずだから」という気持ちがどこかにあるはずだ。だとしても、自国の民を守れずして何の国際貢献なのか。
三人が無事解放されても、それは政府の力によるものでないことだけは確かなことである。
彼らは明らかに日米同盟と引き替えに、三人の命を切り捨てたのだ。
それが「政治の世界」というならば、そんな「政治」など少なくとも私はごめんこうむりたい。
問題は自衛隊の撤退云々にあるのではない。問われているのは、人の命、人の心なのだ。

2004-0412