モンブランはもう買わない

きのう/きょう/あした


2007/02/11(日)

僕は何にでも「のめり込む」質だが、それでいて一方では「飽き性」でもある。
一時は時計。これは機械式でないといけない。一番好きなのはIWCというメーカー。これも随分と集めたときがあるが、今は冷めてしまっている。従って、ほとんど処分したが、それでもまだ幾つかは手元に置いてある。
鞄は今も目が無く、続いているが、昔はコーチとかシュレジンガー、それにBREEだったが、最近はMulberryかPiquadro、IL Bisonteが好きだ。特に、IL Bisonteは少し若者向けだが気に入っている。3月にローマに行ったらフィレンチェまで足を延ばして見に行くつもり。
万年筆も随分と凝っていた。とりわけモンブランとペリカンだったが、一時、ビンテージを集めていた。eBayという世界で最も大きなオークションがあるが、これをいつも利用していた。
1950年代のモンブランは特に好きだったし、モンブランの作家シリーズも大概手元に置いてある。しかし、このところの日本での価格は暴騰していて異常である。もう手が出ない値段になっている。1本が10万を超すのがざらにある。一体こんな高いものを誰が書くのだろうと不思議に思うのだが、手元にある何十本かのものを処分したら随分と借金も返せるはずだ。
ところで、万年筆は買ったらいつも東京のフルハルターというお店に持っていってペン先の調整をしてもらっていた。森山モデルとその道では言われているが、とにかく「ぬめぬめ」と書きやすくなるのだ。昔モンブランでペン先修理を担当していた人だが、本当に小さなお店で客が2人も入ったらもう一杯。でも、そこで同好のものが集まって何時間も万年筆談話に花が咲くのだった。
最近はこの「病気」も治まってきていて、お店に足を運ぶことも少なくなっていたが、昨日久しぶりにそのホームページをのぞいてみた。
まっ先に目に飛び込んできたのは「モンブランの修理・販売は出来なくなりました」という案内だった。
よく読むと、モンブランは高級ブランドになったので、このような小さな店はそれにふさわしくないという理由で販売等を禁止されたようである。
そりゃないでしょう。モンブランの良さを日本に広めてきた森山さんのお店はブランドにふさわしくないというのはないでしょう」
これがいわゆる「権威主義」の典型と言えるものである。
万年筆をこよなく愛し、商売抜きでやってきた人への見返りがこれでは、情も何もあったものではない。
だったら、僕はこれからはモンブランは絶対に買わないことにしようと決めたのです。