我が家

きのう/きょう/あした


2013/08/22/(木)

 住めば都とはよく言ったもの。
 お昼過ぎにWolfenbuttelを出て夕方5時過ぎにフランクフルトに戻った。
 そこから地下鉄で最寄りのBockenheimer Warteに。少しお腹もすいたので、例の香港快餐に。「どこ行ってた?しばらくぶり」と迎えてくれる。「雑菜鶏」を注文。5ユーロで食べきれないほどの量。スーパーで明日と明後日の朝のシリアル用の牛乳とバナナを買ってゲストハウスに戻る。
 「帰ってきた」という感じ。ほっとする。シャワーを浴びてすっきり。これがまさに「我が家」なのだ。

 さて今回のWolfenbuttelへの旅は収穫が多かった。
 実は、部屋も予約してあったが、本当に行く価値があるのかと躊躇していた。でも、ここの先生やハイデルベルクの先生たちは「一度は行って見るべき」と勧めてくれたので、決断した次第。でも、行って良かった。実際には3つの大きな発見があっただけだが、これを「たった3つ」と考えるか「3っつも」と考えるかである。資料という物はそう簡単に「新発見」とはいかぬもの。そういう意味からはやはり「大きな収穫」と言うべきであろう。
 それに街並みの美しさがが心に残った。また、図書館のミュージアムも帰り際に見てきたが、ここも凄い。1500年代の書籍や絵画等々が整然と天井まで並べられている。これは必見だ。あやうく見逃すところであった。さすが、「ドイツ最古の図書館(1572年創設)」である。

 さて、ドイツも残すところあと3日。
 出版社から原稿の催促。向こうも申し訳ないように送ってくるが、これも今月末までには何とかしなくては。他にも9月の国際会議の原稿が2つ。ゆっくりもしてられない。

 ところで、やはり書いておかねばならないだろう。
 『はだしのゲン』の閲覧制限の件だ。あれが教育委員会議にも諮らずに事務局が勝手に決めたことは分かったが、それを申し入れた「市民」の理由に開いた口がふさがらない。
 戦争や原爆の悲惨さを語ることが「歴史認識の誤り」だそうな。
 『はだしのゲン』の閲覧制限は、そういった筋からの圧力に教育委員会が屈したということ。そして、この筋の考え方に、この国の文部大臣も「そういうこともありうる」とお墨付きを与えたのだ。早い話、あの戦争は正義の戦争であるという歴史認識なのだ。彼らにとっては、反核や反戦などもってのほかということ。そういった空気がますます強くなっているのを感じざるを得ない。