垣根を作るのは誰

きのう/きょう/あした


2013/09/13/(金)

 「類は友を呼ぶ?」
 もちろんこういう場合の言葉ではないが、まあいいでしょう。
 今日は奇遇が続いた。
 先ず、マジーニと国立図書館で待ち合わせ、幾つか相談。今年の関大での院生フォーラムにローマ大学からも2人招待すること、来年度のローマでのフォーラムの件等々。
 別れてマニュスクリプト閲覧室で資料を見ていると、「Professor Uchida」の声。頭を上げると見知った顔。マジーニの同級生で国立図書館の職員をしているMarina。以前はこのマニュスクリプトの主任だったが、今は別の部署に移っている。今回も何度かここでいるかどうか聞いていたが、なかなか会えなかったのに。
 その後、お昼に閲覧室を出ようとすると、またまた見覚えのある人がパソコンに向かって文章を書いている。ローマ大学のパウロだ。マジーニの学生で今はローマ大学で教鞭をとっている。今回のフォーラムには用事で来れなかった。
 会える時は会えるものだ。まあ、行く所が限られているということもあるが、奇遇というか、これも縁ということだろう。

 夕方、まだ沈むのが嫌だと言っている夕陽に誘われてサン・ピエトロまで来ました。
 でもいつも思います。この柵(ローマとバチカンの「国境」)は本当に必要なのかと。そのつもりになれば本当に「ひとっ飛び」なのに。

境を決めるのは人。
垣根を作るのは人。

そして、
東西の壁を破ったのも人。

海に境がありますか。
空に境がありますか。

流れゆく時を刻んでだのも人ですが、こうした目に見えぬものを切り刻むのは人なのです。
それは、人の心をも切り刻んでしまったのではないでしょうか。
悲しいことです。

 さて、夕陽を浴びたサン・ピエトロから見てから、歩いてやはり来てしまいました。カンポ・デ・フィオーレ広場。
 バチカンからここまでの道を「ペリグリーノ通り」、つまり「巡礼者の道」という。2年前に1カ月住んだアパートもここ。ただ、売りに出されているよう。異端裁判でここで焼き殺されたブルーノの像を見ながら夕食。今日もこうして時が過ぎていきました。