「同じ月」
2004/09/07(火)
10日間のロンドン・パリの旅行から昨夜帰国。
今回も大英図書館、ロンドン大学図書館、それにパリ国立図書館での文献調査がその主要な目的だったが、それなりの収穫はあった。やはり、現地で「現物」を見ることが必要なのだ。それに、日本の図書館に比べて「研究者にやさしい」欧米の図書館のあり方を改めて実感した。ただ、大英でも本は隨分なくなっているようだ。目録にはあっても「in use」とか「missing」の場合が結構あるのだ。それも、昨年僕が請求したものが僕に借り出したことになっていたりする。あるマニュスクリプトが見たいのだが、今年もそれはおあずけとなった。
ロンドンでは今回も2回ミュージカルを見に行った。一つは「We will rock you」、もう一つは去年も見た「Mamma Mia」。後者はやはりいい。去年とは出演者も演出も隨分変わっているが、確実に良くなっている。今年で5年目らしいが、毎日同じ出し物を続けているわけで、しかも、ほとんど毎日満員のよう。観客は結構お年寄りが多いのも特徴的だ。日本では60,70の人がミュージカルなんて考えられないことである。これが「文化の違い」なのかも知れない。
今回はお天気に恵まれたが、公園では子供たちが噴水で水遊びに興じているし、大人たちもジョギングをしたり、芝生に寝ころんで「日光浴」を楽しんでいる。「ゆったり」とした時の過ごし方である。僕自身も忘れてしまっている時の流れである。
ミュージカルを見終わってホテルまでの道すがら、ふと見上げるとその日は「満月」だった。
この月は地球上の生きとし生けるものすべてにその「柔らかい」光を注いでいるはずである。それなのに、人は同じ月の下で今も「殺し合い」を続けている。人はそれほどにつまらない生き物だったのだろうか。悲しいことであるが、それが「人の世」なのだろう。そんなことを思って月を見ていた。
ロンドンも パリも日本も 同じ月 なぜに違うぞ 人の心は
ただ「Mamma mia」の中でソフィーの歌う「Have a dream」はそんな僕の心をいくらか和ませてくれた。
I have a dream
a song to sing
to help me cope
with anything
if you see the wonder
of a fairy tale
you can take the future
even if you fail
I believe in angels
something good in
everything I see
I believe in angels
when I know the time
is right for me
I’ll cross the stream
I have a dream
・・・・