爪の垢でも煎じて飲んだら

きのう/きょう/あした


2011/06/28/(火)

先日の朝日のオピニオンは永久保存版である。
さすが野中広務。橋下の本性を見抜いているし、この国の危機的状況を的確に言い当てている。何よりも教育委員会制度とは何かをしっかりとわかっていらっしゃる。全ての教育委員にこの文章を読んでもらいたいものである。
これが本当の政治家なのだ。世の中の「政治屋」どもは、野中さんの爪のアカでも煎じて飲んだらいい。特に、橋下さんは、何杯も何杯も飲む必要があるだろう。まあ、それでも直りはしないが。
橋下さんは教育委員会制度について「政治の不介入の行き過ぎ」を修正すべきと主張する。しかしながら、教育への政治の不介入は行き過ぎるほどであって然るべきなのだ。いかなる理由があるにせよ、政治が教育に介入したとき、それは過去の歴史の繰り返しなのだ。戦時下の日本やナチスドイツがまさにそれだったのだ。
曲がりなりにも弁護士を志した者が、そんな時代に逆戻りすることを是とはしないはずだ。これに明確に「No」と意思表示をしたのが、教育委員会制度なのだ。
橋下劇場の常套手段は、そうした自分の主張を「民意」で押し通そうとすることである。政治不介入を金科玉条と言うが、彼こそ「民意」を金科玉条としているのである。しかし、この「民意」こそ危ういものなのだ。民意は時の権力によって右にも左にもなびくのだ。そして、最終的には、一つの意見のみが正しいというところに落ち着くわけである。橋下大政翼賛会の誕生である。これをポピュリズムと言わずしてなんと言うべきか。
 このことを野中さんは批判しているのである。こうした本当の政治家がこの国にはほとんどいなくなっている。現役ではおそらく皆無である。これがこの国の悲劇なのだ。