笑止千万!
2013/09/12/(木)
聞くところによれば、某市の本会議で「はだしのゲン」についての質疑があったようだ。「残虐で事実に反する記述」を問題にして、それを「事実か否か」を担当理事に問い詰めるそうな。
大体、どういうことか見当はつく。「文学とは何か」など全く考えたこともない無能な輩が、多分それまで「はだしのゲン」など読んだこともなかったろうに、質問のために大慌てで「そういう記述」の部分だけを探し出して、それで「私が読んでみたところ・・」と始めたはずである。書を読むとは一体どういうことかすら、この御仁には皆目分からないのだ。当然、そうした読み方を「断章取義」ということなど知るよしもない。
大体、自分の都合の悪い「歴史的事実」には頬被り、いや、あろうことか「でっち上げ」「歪曲」と主張し、挙げ句にはそれを認めることを「自虐的」とする人たちが、「事実とは何か」を問う資格などどこにもないのだ。「笑止千万!」である。
以前にも「性教育」問題でも同じ事があったし、私の記憶に残っているのはほかに「沖縄戦での集団自決に対する日本軍の強制があったか否か」の問題である。ある若い議員が「感情論に走らず事実を直視せよ」と主張したことがあるが、彼らの事実とは「ねじ曲げられた事実」であるのだ。そもそも、「感情」を抜きにした政治などくそ食らえである。人の心の痛み、弱者の心の叫びを聞けぬ、人の感情を持たぬ人間が政治をやることこそ問題なのだ。
さて今日も国立図書館でいくつかのManuscriptを見てきた。ただ、複写(写真)はここは結構高いのでしばらく自重。それでも、月曜日に頼んだコピーが今日のお昼にはメールで届けられた。実に鮮明に撮れていて、しかもこの速さである。日本もこうした点は見習わなければならいと思う。
夜は久しぶりにカンポ・デ・フィオーレ広場のレストランへ。ブルスコッタと定番のアマトリチャーナ。それにティラミス。アマトリチャーナの付け合わせが、以前は確かオレンジだったが、今回はプチトマト。味は同じだった。満足。