「燃えよ剣」
2007/01/12(金)
都の風にうそぶけば、吹雪と花の乱れ飛ぶ・・・
という主題歌が流れる司馬遼太郎原作、結束信二脚本、河野寿一監督、栗塚旭主演の「燃えよ剣」。
最初に放映されたのは、1970年。
その頃、まだ学生だったが、アルバイトの中学校の宿直室でいつも見ていた。その後、大阪に出てからも、一度再放送があって、浅香の文化住宅で見た覚えがある。
これが、昨年の何月頃だったか、ケーブルテレビの時代劇チャンネルでまた放送されていたので、毎日楽しみに見ていたが、昨日、ついに最終回。
原作が素晴らしいのか、脚本がいいのか、とにかく、新撰組関連のものでは、この「燃えよ剣」は最高の作品だと思っている。
およそ、俳優とは言い難いような容姿のキャストを並べ、いかにも泥臭い作りだが、そこがまたいいのだ。
一昨年だったかNHKの大河でも新撰組が放送されたが、三谷監督も、この「燃えよ剣」が恐らく頭に残っていたらしく、「燃えよ剣」の島田順司扮する沖田総司や、裏通り先生(左右田一平)を登場させていた。
それにしても、「変わらない」で生きることの難しさ、生涯を貫くことの尊さを、この作品は教えてくれる。
時代に合わせて生きること、時代に流されて生きることは容易である。それは、器用な生き方でもある。しかし、土方みたいな、「時代遅れ」の不器用な生き方もあっていいのだ。
そしてそれは、主義主張とは無関係のものである。
新撰組はいわば、かつての特高とか機動隊のようなもの。権力の走狗である。だからといって、彼らの生き方そのものは否定されないのである。
右であれ、左であれ、「変わらぬ」ものを持ち続けることは、人として、本当は最も大切なことのように最近は思っている。