あと1週間

きのう/きょう/あした


2003/12/14(日)

昨日からの東京出張で今年の出張もおしまい。あとは1週間授業を残すのみ。満足のいく仕事は今年も出来ていないけれど、時間だけは確実に過ぎていく。「時」は目に見えなく、「時」が未来にもあると思うのは一種の「希望」でしかない。「時」はただ過ぎ去るのを確認できるだけ。だとしたら、今を精一杯生きるしかないのであろう。

フセインが拘束されたとか。でも、一体、彼の罪状とは何だったのか。そもそも他の国の大統領を「拘束」したり「逮捕」するような権利が誰にあるのだろう。その国の「主権」とは一体何なのか。「そんなのあり?」

来年度の「知のナビゲーター」では、まずは「1たす1は2にならない」を読み、次に「盜まれた手紙」と「モルグ街の殺人事件」、そして、南郷の「武道の理論」や薄井坦子の「科学的看護論」や板倉聖宣の「模倣と創造」などを読み進めて行く予定。ただ、私は語らず、学生のディベートや発表に任せるだけにしてみたい。一度はやってみたいと思っていた授業であるが、この冬休みは、もう一度、これらの書物を自分なりに読み直してみたいと考えている。

ところで、南郷継正の本は入手が困難になっているが、「現代社」というところから、全集が刊行されることになり、現在までに2巻まで発行されている。これまでの著作を全て網羅するようで、楽しみである。全13巻の内容は以下の通り。
『南郷継正 武道哲学 著作・講義全集』(現代社)
第一巻 武道哲学総論I 『武道の哲学』ー武道学の認識論ならびに実体論
第二巻 武道哲学入門I 『弁証法・認識論への道』第一部・第二部
第三巻 武道哲学入門II 『哲学・論理学への道』第一部・第二部
第四巻 武道の科学I 『武道の理論』+『武道哲学講義I』
第五巻 武道の科学II 『武道の復権』+『武道哲学講義II』
第六卷 武道の科学III 『武道への道』+『武道哲学講義III』
第七巻 武道の科学IV 『武道修行の道』+『武道哲学講義IV』
第八巻 武道哲学総論II 『武道とは何か』(武道綱要)+『武道哲学講義V』
第九巻 武道哲学各論I 『武道と認識の理論I』+『武道武術の諸問題I』
第十巻 武道哲学各論II 『武道と認識の理論II』+『武道武術の諸問題II』
第十一巻 武道哲学各論III 『武道と認識の理論III』+『武道武術の諸問題III』
第十二巻 武道哲学各論IV 『武道と弁証法の理論』第一部・第二部
第十三巻 武道哲学総論III 『武道における教育論・上達論・勝負論・極意論講義』

30数年かけて独力で築き上げた、まさに壮大なる南郷武道哲学の集大成である。全巻完結が待ち遠しい。